当ブログ管理人のネコろぶです。
私のプロフィールの中でも大半を占める『不安障害』について、発症から改善した現在までについて記しておこうと思います。
中学時代
子どもの頃から明るく陽気な性格で、中学時代の部活の顧問からは「こんなお調子者は見たことない」と叱られるほどでした。
今とは真逆の性格で自分でもびっくりします。
不調の原因をつくったかもしれない高校時代
普通の高校生活を送っていましたが、忘れもしない2年の夏にちょっとしたことから変化がおきます。
テスト中にお腹がグルグルと鳴ったのです。
空腹でもお腹を壊していたわけでもなく蠕動(ぜんどう)運動で鳴ったのですが、身体を動かしても収まらず、恥ずかしくなってトイレに逃げました。
今思えばたいしたことではないのですが、それ以来「またお腹が鳴ったら恥ずかしいな」と思うようになりました。
そして私がとった行動が「お腹に力を入れる」でした。
胃腸が動くからお腹が鳴るのであれば、動かさなければよいと思い、下腹に力を入れて胃を上に引っ張るように緊張させていました。
高校を卒業するまでの全授業の間、自ら身体を緊張させ続けていたのです。
これが私の不安障害の原因だと思っています。我ながら最悪な行動をしていました。
身体が悲鳴をあげ始める
それから1年半ずっと身体を緊張させ続けていたのですから、悪影響が出ないわけありません。
最初の異常は大学入試中に起きました。
失敗できないというプレッシャーと、テスト中という静かな状況の中でお腹が鳴ったらどうしようという緊張が重なり、4科目のテスト中に目まいが始まったのです。
目まいはなかなか収まらず、怖くなり試験管に申し出てトイレに行かせてもらい、個室で目まいが収まるのを待ってテストに戻りました。
帰りの電車ではなんともなかったので、その時はあまり気にしていませんでした。
しかし、次の入試でも同じことが起きたのです。
これは本当にショックでした。当時は心の病の認知度は低く、「心の持ちようだよ」と言われるような時代でしたので、親にも言えず抱え込んでいました。
症状が進行した大学時代
大学に進学してしばらくは平穏でした。
大学の講義は部屋が広く開放的でしたので、そこまでお腹の音を気にする必要がなかったからです。
しかし、高校時代よりマシなだけで無意識に身体を緊張させていたと思います。
3年になりゼミに所属してから症状が現れます。ゼミでの発表の際に異常に動悸がするようになったのです。
実際に話しだすと緩和するので、最初は「慣れてないから」だと思っていましたが、いつからか普通の授業中でも動悸がするようになりました。
スーパーでアルバイトしていたのですが、レジ打ちで行列ができるとキツかったです。
動悸に加えて視界が暗く・狭くなり立っていられなくなる時もありました。
苦痛だらけの就職活動
就職活動が始まると、さらにひどくなります。
面接前は動悸がひどく、名前を呼ばれる直前になって企業の人に「体調が悪い」と言って逃げ出したことが何度もあります。
不安障害あるあるなのですが、順番がまわってくるというのが大きな苦痛になるのです。
面接中は上半身が硬直し耳が詰まって、とにかく「早く終わってくれ」と念じ続けていました。合
否よりも面接を乗り切る事の方が困難に思えたほどです。
ここまできても病院に行くことはありませんでした。
健康保険が親の扶養に入っているのでバレるのが怖かったんですね。
限界だった会社員時代、そして病院へ
なんとか地元の中小企業に入り、目新しさや忙しさもあり1年ほどは大きな出来事はありませんでした。
もう限界
その日、私は美容室を訪れていました。
症状は落ち着いていたとは言え不安障害の天敵の散髪です。
髪を切り始めるとドキドキしてきます。
いつもなら咳をしたり身体を動かすことで誤魔化せていたのに、一向に収まりません。
動悸が収まらないという事実がさらに不安感を増幅させ、もうパニック状態です。
美容師さんに言って外に行こうかと考えましたが、「変に思われたらどうしよう」という思いがよぎり、結局爪を太ももに食い込ませて意識をそらすことで乗り切りました。
もう限界だと思いました。
ついに病院へ
這うようにして向かった近くの診療内科で、まず症状を用紙に記入して医師の診察。
・・・という症状で困っています。
うーん。それはSAD(社会不安障害)ですね。
社会不安障害!?治るんですか?
お薬で良くなると思いますよ。
ところで自律訓練法は知っていますか?
知らないです。(やったー薬で治るんだ!早く薬を処方して)
別室で担当が自律訓練法の指導をしますので、家で行ってください。
一刻でも早く薬を飲んでこの辛い症状とおさらばしたい
薬物療法
この時に処方されたのが『デプロメール(フルボキサミン)』でした。
副作用が出るかもしれないので徐々に増やしていくことになりましたが、私の場合は軽い吐き気くらいで、印象に残ったのが首が冷たいという感触でした。
飲み始めてどれくらい経ったかは覚えていませんが、上半身が羽のように軽くなりました。
真実は『軽くなった』というより『本来の身体に戻った』ということですが。
そして動悸がまったく起こらなくなったのです。涙が出るほど嬉しかったです。
これ以降、行動や考えが前向きになり、久しぶりに会った友人に「性格が変わったね」と言われるほどでした。
油断と再発
薬を飲み始めてから約半年後
症状が劇的に改善しました。本当にありがとうございます!
それは良かったですね。そろそろ減薬に挑戦してみますか?
(もう病気は治ったんだ)はい!減薬します。
それから1年半後・・・
朝起きると身体が重い・朝食があまり食べれない
さらに半年後・・・
布団から出るのが困難・ごはんと味噌汁は一口が限界
一日中身体が重く不安感があり、特に夕方、夕食を食べるまでの不安感が強く出ていました。
ほとんど仕事にならず、外回りの車の中で身体を丸めて寝てばかりでした。
こんな状態でも不安障害の再発とは考えず、『夏バテ』と『運動不足』のせいだと思っていました・・・(苦笑)
100m先の郵便局に行けない
その日、荷物を出す必要があったのですが郵便局に行くことができませんでした。
風が強い日で、その音が不安を増幅させて外に出ることができなかったのです。
たった100m先の郵便局に行けませんでした。
再度病院へ
この時には引っ越しをしていたので、最初の病院とは別の病院へ
・・・という状況です。
うーん。症状に対して薬が少ないですね。
以前飲んでいた量に戻しましょう。
特に朝が身体が重くて辛いのですが・・・
では追加で別のお薬も出しておきます。
この時処方された『メイラックス』のおかげで身体のダルさは緩和された一方で、根本的に改善しないとダメだなと思い始めました。
手探り状態のフリーランス時代
薬だけに頼らず不安障害の改善するための時間が欲しいのと、同僚に体調不良で迷惑をかけられないという思いが負担になっていたので、この機会に会社を辞めてフリーランスとして活動することに。
とにかく逃げたかったというのが本音ですが・・・
会社員時代に懇意にしていたいくつかの取引先が仕事の依頼をしてくれたので、それをこなしつつ本やネットを読み漁り様々な不安障害改善法を試すことにしました。
手あたり次第に改善方法を試す
- 整体
- 首のゆがみ矯正
- にんにくサプリ
- 数千円する情報商材
- 暴露療法
- 運動
- 猫背矯正
- セラピー
- ヨガ
- 血流を良くするサプリ
- 日記をつける
- お笑い番組を観て笑う
- 関連書籍を買い込む
- お手玉
- 半身浴
- 一人カラオケ
・・・などなど、ネットや書籍で『不安障害が改善した』と書かれているものを手あたり次第試しました。
中には多少効果があったものもありますが、『良くなった』『行動範囲が広がった』『心の重しがとれた』と言えるものはありませんでした。
ついに発見!光明が差す
いつものように不安障害についてネットサーフィンしていると『自律訓練法』という文字が目につきました。
そういえば医師に最初に教えてもらったのが自律訓練法だったな・・・もう一回やってみるか
その後・・・
6つの公式が覚えられないから集中できない・・・そうだ!音声で聴きながらやればいいのか
すると・・・
なんじゃこりゃー!めちゃくちゃ深くリラックスできるぞ
今までに体験したことがない程の深いリラックス状態になったので、驚いて少し動悸がしたほどです(笑)
これを行うと常に波立っていた思考や感情がスーッと平になったのです。これは良いと思い続けてみることにしました。
それから朝と夜寝る前の1日2回、YouTubeの音声を聴きながら自分なりの自律訓練法を、3ヶ月続けてみました。
具体的な自律訓練法の行い方はコチラ
首コリの解消法はコチラ
3ヶ月自律訓練法を続けた結果
心身がスッと落ち着く感触が癖になり自律訓練法を続けて3ヶ月・・・
なんとなく身体の調子が良いし、夕方に強かった不安感が和らいでるぞ
この変化はとても嬉しいものでした。特に夕方の不安感や空腹時の不安は辛く、カバンやポケットにウィダーインゼリーやカロリーメイトを忍ばせていたほどです。
続ければもっと良くなるかも!
1年間自律訓練法を続けた結果
自律訓練法を始めて1年たつころには以下の改善がみられました。
- 常にあった不安感
- 人と会うことや外出することへの恐怖
- 体調の変化(めまいや炎天下の外出)に対する動揺や恐怖
以前だと、苦手な状況(運転中のトンネル・順番待ち・散髪など)で起きていた動悸やパニックも、ドキドキはするけどそこから大きくならなくなりました。
3年間自律訓練法を続けた現在と始める前の違い
今でも自律訓練法は続けていますが、聴いているのはAudible(オーディブル)で購入した小説などです。
自律訓練法を始める前と現在を比較すると
自律訓練法を始める前 | 現在 |
---|---|
散髪は苦痛な時間 苦手な状況でパニック 人と会う・約束するのが苦痛 夕方・空腹時の不安感 首コリ・上半身の詰まり感 発作のたびにネットで改善法を検索 閉塞的な空間はとても無理 めまいなどで激しく動揺 減薬するとぶり返し 外食は苦痛でほぼ食べれない | 理容師さんとの会話も楽しい ドキドキはするけど大丈夫 苦痛ではないけど面倒 無し 大幅に改善 無し 苦手だけど乗り切れる 無し 減薬成功(断薬ではないです) 料理も会話も楽しめる(内心は行きたくないが) |
この中でも外食に対する変化が我ながら凄いと感じています。
この辺りの話はまた別の記事にしたいと思います。
気になる症状はほぼ無くなりましたが、完治とは言えません。
20年間、何度も何度も恐怖と苦痛を味わってきたので、その残骸が心身のどこかに残っているのも当然です。
これはこの先普通の生活を送ることで少しづつ取り除いていくものだと思います。
最後に
自律訓練法は、私の生活を一変させてくれましたが、これは私の不安障害の原因が『自ら行った心身への過度の緊張』だったからかもしれません。
不安障害やパニック障害に悩むあなたにも私と同じ効果が出るかは分かりません。
しかし、心身の良いことは明白ですし、続けることに苦痛もお金も必要ないものですので、是非とも始めてみてください。
私の不安障害闘病記が誰かの救いになれば幸いです。
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