森田療法と不安障害

パニック障害、対人恐怖症、強迫性障害など多くの人を悩ませている不安障害には幾つもの症状があります。

こうした不安障害に対する治療を、ある日本人が考え出しました。それは森田療法です。

目次

森田療法とは

森田療法は、東京慈恵会医科大学の森田正馬が確立した精神療法で、1919年から1922年頃に完成されたそうです。

森田正馬自身、若い時に神経症にかかり、それを克服した経験をもとに試行錯誤して独自の治療方法を編み出しました。

欧米の治療法では、不安障害を異常で征服すべきものとみなしますが、森田正馬は、不安自体を人間が持つ自然な傾向だと認め、不安とうまく付き合いながら生きていく方法を提案します。

また、人間には生への欲望があるととらえ、その欲望を治療に生かしていきます。

その結果、不安があってもしょうがない、あるがままに生きていくと考えられるようになるのです。

まさに生き方を再設計する治療と言えます。

悪循環をストップさせる森田療法

不安障害において生じる様々な症状は、動悸や目まい、声が震えるなど私たち誰でも経験するものです。

しかし完璧主義の人は、自分のことを気に病みやすく、そうした行動や反応を気にしすぎてそれを増幅させてしまうのです。

そして心の状態や体の反応にますます敏感になり、そこに関心を集中させてしまいます。

森田療法では、そうした悪循環をストップさせることを目的にしています。

患者はそれまで気分や症状にばかり注意を集中させていましたが、治療を通してより一層行動に注意を向けさせます。

その結果得られた成功体験から、今までになかった考え方を身につけさせるよう助けるのです。

気分本位

「気分本位」という言葉が森田療法ではよく用いられます。

気分を重視するのは不安障害の患者に共通しており、それは実は思い通りにならないものです。

ですから思い通りにならない気分はほっておいて、むしろ思い通りになる行動を重視しよう、というのがコンセプトです。

不安障害と森田療法

保険会社に勤めており、事故の処理などで非常に優秀な成績を上げている社員で、色んな情報に通じており、何事も非常に素晴らしいクオリティの結果を出すことのできる人がいました。

でも彼には悩みがありました。それは何でも悩んでしまうことです。

悩むことが悩みだとは変な話かもしれませんが、彼の場合はそれが進みすぎて、仕事に支障が出るようになってしまいました。

医師に診てもらったところ、診断は強迫性障害だということでした。

彼は些細なことで悩む以外にも、外出する際の家の鍵締めなども何度でも繰り返してしまうことが多々あったからです。

こういった神経症以外にも、パニック障害やPTSDなど様々な症状をまとめて不安障害と定義しています。

世界中で不安障害を抱える人が増えており、世界中でその対処法や治療法の開発も進められています。

日本にも大変優れた治療法がありますが、それは「森田療法」です。

これは大正時代に精神科医の森田正馬氏が提唱した精神療法で、元々は入院しておこなう治療でしたが、最近では自宅から通ったり、薬を併用しながら治療するなど改良が進んでいます。

森田療法が有効である理由

森田療法が有効なのは「体の不調や病気、事故や死への不安」「社会的場面、例えば人との接触で起きる緊張」の2つに分けることができます。

森田療法は、神経症の症状を「治さなければならない病気」としてとらえず、「患者自身の気づきと行動パターンを修正しながら症状を受け入れる」ようにする治療法です。

この治療でよく使われる言葉が「あるがまま」です。

ご本人も著書の中で「あるがままでよい、あるがままより他に仕方ない、あるがままでなければならない」とおっしゃっています。

森田療法の考え方としては、あることに不安を感じたら、不安を感じた原因を探し続けるのではなく、不安だから気分本位で対象を回避することをやめ、とりあえず行動し続けるようにするのです。

多くの精神治療法とは根本的に考え方が違い、不安や緊張は必ずしも悪ではなく、自然な感情の一部であると考えるわけです。

まさに自然と調和して暮らしてきた日本人が見つけた解決法なのかも知れません。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ

コメント

コメントする

目次